フィヨルドも森もない北欧ちょこっと旅行 | |
コペンハーゲン、ビルン/ストックホルム |
ゲフィオンの噴水
スウェーデン王から、一夜で取れる土地を与えるといわれた女神ゲフィオンが、4人の息子を牛に変身させて、スウェーデンから土地をひっぱってくるシーン。取ってきた土地が、デンマークの礎であるとのこと。
10:55 成田発 SK1984便
15:35 コペンハーゲン着
到着した空港で両替をする。手数料込みで10,000円=404.20デンマーク・クローネ(DK)。1DKr=24.74円だ。
ありがたいことに、初日だけは、空港に日本語のできるガイドさんが迎えに来ていて、車でホテルまで連れて行ってくれる。
ホテルはコペンハーゲンの中央駅前のプラザ・ホテル。古風なホテルで素敵だ。
駅の反対側にはチボリ公園もあるので、町中に出てみる。チボリ公園を外から見て、さらに行くとサイケな色の建物に当たる。アクセルトー広場という、映画館が集まる場所。ロバート・ヤコブセンという人の黒い鉄のオブジェが立っている。
突如おなかがすいていることに気づき、何かたべようと思ったが、お昼時を過ぎているため、レストランはやっていない。仕方なく駅に戻り、近くのファーストフード店でハンバーガーを食べる。ビッグ・バーガーは26DKr、普通のハンバーガーは17.50DKr、コーラが12DKr。ハンバーガーのクセに高い。たかがファーストフード店のハンバーガーが430円!これが聞きしに勝る北欧の物価高さて、いよいよ、今回の旅の目的、ヴァーサ号の博物館へ。博物館は、ユールゴーデン島という少しはなれたところにある。
道に迷っていると、通りがかったオバサマが、助けてくれた。なんと聞いていいかわからないのを察して、英語でゆっくり 「I would like to go・・・・・」と言ってくれたので「ヴァーサ」と続けると、ヴァーサ号の博物館の方向を教えてくれた。
ヴァーサ号の博物館は、できたばかりだったようだ。それまでの解説書には、保存場所は、海底から引き上げた木製の船が急速な乾燥に耐えられないことを考えて、人体がそれと感じるほどの高湿度に保っていると書いてあった。現在のものは、コンペで募集したデザインのもので、科学技術の向上で解決したのか、極端な湿気は感じず、中で見学していても快適だ。船の模型やパーツの写真、ビデオ、資料も見られるようになっていている。レストランもあるようだ。
宝物の間入場券 25SKr
スカンセンを出てから、近代美術館に行く。
パリに集まった芸術家達のコレクション、ピカソやマチスがあるとガイドブックにはのっていたが、北欧の画家ムンク、ドイツのキルヒナーなども数点あった。
前衛的な彫刻が、外にも置かれている。
夫婦二人で出かける初めての旅、つまり、新婚旅行に選んだ行く先は、北欧のデンマークとスウェーデン。
夫側の理由は、一度目の航海で出帆直後に海の底に沈んだ軍艦で、現在は引き上げられて展示されている「ヴァーサ号」を見たかったということ。人生の航路をともに進もうという出発の新婚旅行の訪問先としてはどうかと思うのだが・・・。
妻側は、生来ラテン系で寒いところは嫌いだが、せっかくの機会なので、子どもの頃遊んだレゴブロックでできたレゴランドに訪れることを目的とした。
ホテルと飛行機は旅行会社にとってもらったが、後はほとんどフリー。事前調査は地球の歩き方を一冊購入しただけ。本当に、それで大丈夫なのか?!
そろそろ夏というデンマーク、コペンハーゲンに向けて、スカンジナビア航空機で、とりあえず出発。
ここになぜ置くのか判らない、謎の奇怪な彫刻群。アンソールの絵を思わせるが・・・。
いつの間にか眠りこけて、夜中に目覚める。今日は、レゴランドがある島まで移動する日なのに、昼まで寝過ごしてしまったのかと思いこみ、こんなところで飛行機を乗りのがしたら対処できない!どうしよう!!と真剣に焦った。実際は、まだチボリ公園で花火があがっている音がするので夜の12時過ぎ。今度は居眠りでなく本格的に眠る。
朝食時に、何かサインするようにと、男の人が伝票を持ってきた。朝食を食べたサインかと思ってサインしたのだが、どうやら追加でブッフェをたべたければということだったらしい。チェックアウトのときに異常に高いので聞いたら追加の朝食代が入っていた。ブッフェはたべてはいないが、勘違いしてサインしてしまったのだから文句も言えない。しかし、一人分95DKrとは、予期せぬ手痛い出費だった。
朝から徒歩で市内観光に出かける。
まずは、クリスチャンボー城へむかう。この辺りがデンマークの発祥の地らしい。クリスチャンボー城は、はじめは王族が住んでいたが、火災にあって焼失し、住居はアマリエンボー宮殿に移された。現在のものは何度目かの再建で、国会議事堂として使われている。
クリスチャン4世によって建てられたというレンガ造りの旧証券取引場を見て、ニューハウンという町に向かう。ニューハウンとは新しい町という意味だという。
運河沿いに並ぶ家の壁が色とりどりで不統一。カラフルでかわいい。活気もあるようで雑多な感じがして、港町という情緒がある。一時、アンデルセンもこのあたりに住んでいたそうだ。
近代美術館の入場料 レシートというのが味気ないが、こちらではこのシステムは多いみたい。
王室儀式博物館。入場料はここも20SKRと高い。
ローゼンボー城見学チケット。3箇所見られるので、係りの人が色の違うマジックで目印をつける
人魚姫の像
世界三大がっかり名所とまでいわれてしまう人魚像。思ったより小さいのは可憐でよいとしても、背景がなんともよろしくない。
チボリ公園の催し物案内のポスター。
市庁舎広場のアンデルセン像。どこか遠くを見ているのか。
北欧やロシアには古くは木造の建築も見られる。中庭を囲むようにたつ木造の農家、木造の風車小屋、木でできたウロコのような屋根や壁の家など、興味深いものばかりだ。赤い家もある。
園内には小さな公園ムーミン・パークや小動物園があり、ここには子ども連れの親も来ていて、ちょっとにぎやかだ。動物園の囲いの中にどう見ても猫と思われる動物がいるのだが、いったいこれはナンだろうか?猫ならこんな柵を飛び越えられないわけはなく、なぜ中で和んでいるのだろうかと頭を悩ませる。まあいいか。深く考える必要はない。
短い夏を楽しむといって、5月から夏のような感覚になっているようだが、実際は寒い。遊園地も一応オープンするが、まだまだ本番ではないのだ。
スカンセンでも、パンフレットに出ているような、民族衣装を着て踊ってみせる女の子達や大道芸人や花かごに飾られた売店やオーケストラの演奏などを期待するのは、まだ時期的に早すぎた。
人の出足も多くはない。そうなると、こうした人工の町は、ひどく寂しく感じられる。
百家雅叙という中華レストランで、やきそばの昼食を食べたあと、さらに歩いて、アマリエンボー城に行く。フレデリク5世像が中心に立っている八角形の大広場を囲むように、ロココ様式の低層の建物が並べられている。優雅だが安定感と威厳がある。兵隊の交代式もここで見られるが、時間が合わないのでダメ。
実際に女王がこの中に住んでいるというのに、そんなに警護も多くなさそうだ。そういう構造とはいえ、中央にあいた広場に観光客が自由に入り込んでいるのだから、なんだかオープンな宮殿だ。変わった作りだと思ったら、もともとは、4人の貴族の住居だったということで、王宮が火災で焼失したため、王家がここを買い上げて居城としたらしい。
儀式博物館には、「いつどこで誰がどうした」という具体的な説明つきで、実際に使用されたものも展示されている。たとえば「1792年3月17日の仮面舞踏会でグスタフ3世が暗殺されたときの衣装」には血がついたまま。
北欧の歴史に詳しいというわけではないので、どの王様が何をしたか知らず、ぴんとこないのが実情だ。
すでに夕方になっているが、まだ空は明るい。そぞろ歩きをしていると、屋外のステージで弦楽合奏のコンサートが始まった。他のところではトランペットのジャズが響いている。
売店では、わけのわからないおもちゃが売っていたり、お菓子が売っていたりする。
園内は花と景色を楽しむだけでなく、遊園地もあるので、何か乗ってみようということになる。色々検分したのだが、どうしても乗ってみようと思えるものはなかった。バイキング船のような乗り物がぐるぐるただ回っているくらいしか、特に北欧らしいものもない。女の子が「エキサイティングな乗り物はどこー?」と言いながら歩いていた。おとぎの世界には、その手のスリルはいらないらしい。
9時ごろになるとそろそろ薄暗くなってくる。園内はライティングされて、人工的ではあるが、本当におとぎの国に来たような気持ちになる。
園内にはレストランも沢山入っている。初日にはお手軽なイタリアンレストランに行ってみたが、今日は、五重塔のような建物の中華料理店にする。モンゴル宮廷料理と書いてあるので、そちらにしようと思ったのだが、外のテラスだといわれる。中は普通の中華だが、暖かい場所がいいので、モンゴル宮廷料理はあきらめる。冗談じゃあないよ。北欧の人たちは、そろそろ夏だといっても、私たちには充分すぎるほど寒い。しかも今日は花火が始まるまで、暖かい場所で食事をして時間を潰そうとしているのだ。
本日はコペンハーゲンに戻る。ビルンではほかにすることもないので、ゆっくり起きてホテルで朝ごはんを食べ、空港へ。来るときは気づかなかったが、空港もとても近くて、ホテルから1キロくらいらしい。
空港では風がすごく強くて、こんな状態で飛行機が飛びたてるのか心配になるほどだったが、遅れもせずに出発。11:55 ビルン発 DM358便
12:40 コペンハーゲン着
ホテルは到着したときと同じパレスホテル。行ってみると部屋が取れていないという。予約確認書を出してクレームし、屋根裏の部屋をあてがわれた。雰囲気はなかなか良い。メイドさんが水をサービスに持ってきたが、チップを渡したので、水より高くついたかも?
コペンハーゲンの午後は、国立美術館に行ってみることにした。ここは、レンガ造りの風格ある建物だ。オランダ絵画が多いが、それ以外に近代の画家のものも多い。特にマチスのコレクションは充実しているということだ。原色の壁を並べた珍しい展示室もあり、おもしろい。
1991年5月22日 レゴランド〜コペンハーゲン
アムステルダムの町
ローゼンボー宮殿の建物はすらりと背が高く、美しい。中の見学もできるので入ってみることにした。
城の居住部分以外にも、クリスチャン4世、5世の王冠などが展示された宝物館が見られる。王室で使った食器も見ることができる。チャーチル像
「チャーチルさん、何をさがしてるの?」 「落とした葉巻をね・・・。」
スカンセン入園料 25SKr
だからと言ってひるんでいてはもったいないし、動かないと寒いので、色々歩いてみる。
1日目 | 成田〜コペンハーゲン |
2日目 | コペンハーゲン観光 |
3日目 | コペンハーゲン〜レゴランド |
4日目 | レゴランド〜コペンハーゲン |
5日目 | コペンハーゲン〜ストックホルム |
6日目 | ストックホルム観光 |
7日目 | ストックホルム出発 |
8日目 | 帰国 |
近代美術館の前の広場。マグリットのポスターが貼ってあるが、周りの景色と合わせてみるとシュールでいい感じ。
ヴァーサ号博物館入場券(表裏)と、ヴァーサ号船尾
北欧神話の神々も姿を見せる。
美術館のあとはホテルまでぶらぶら歩く。コペンハーゲンの歩行者天国は総称でストロイエと呼ばれ、ショッピング・ストリートなっている。ホテルに戻る途中で、せっかくコペンハーゲンに来たのだから、ロイヤルコペンハーゲンの本店にも立ち寄ってみた。
日本では、ブルー・フルーテッドーが一般的だが、違うデザインも沢山あるのだなあと思った。フローラ・ダニカやブルー・フルーテッドのフルレースでなければ、もっとお手ごろな価格のものもある。普段使いにもできそうな大皿は、一枚からでも買えるので、ちょっと良いお土産にもなる。ブルーフルーテッドの柄の紙ナプキンもあったので、さらにお気楽なお土産に。
前衛的な展示室もあるぞ。
10枚つづりの地下鉄クーポン
本日は移動日。スウェーデンへ向かう
10:20 コペンハーゲン発 SK406便
11:30 ストックホルム着
空港について、まず1万円を両替すると、407.75スウェーデンクローネになった。何のためらいもなくタクシーに乗る。ホテルまで行ってくれというと、運転手さんが、カード払いかと尋ねる。キャッシュで、というと現金は持っているかと念を押された。空港から市内までは遠いのだそうだ。急に持ち金で足りるのか不安になる。概算額を聞くと何とか足りそう。
このあたりのタクシーは、日本では高級車のヴォルヴォである。スピードも速いし、ゆれない。道もいいのだろう。金がないという不安な気持ちのまましばらく走る。ホテルに到着したときには、概算で聞いていた額とほぼ同じだった。ただ荷物も積んでいるのでチップも加えないといけない。有り金はたいて多めに渡そうとすると、運転手さんは、貧乏人を哀れんだのか、サービス料も込みなんだから、チップは要らないと言ってくれた。40.3kmで401SKr。お金ぎりぎり、冷や汗もの。
1991年5月23日 コペンハーゲン〜ストックホルム
リッダーホルム教会入場券
1991年5月24日 ストックホルム観光
スモーガスボードのレシート